日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

【若狭國】遠敷郡・多太神社。

「明けましておめでとうございます」

FATBIKEを鳥居近くに立てかけてヘルメットを脱いでいると初詣に来たひとが僕に声をかけてきた。

「おめでとうございます」
すかさず返事をする。

旅の途上で新年を迎えた。
年末も年始も関係なくFATBIKEに乗って旅をしていると、「新年感」といったものはあまりない。

神社を回っているのだから門松や新年の飾りものなど正月を演出するものは多く目にする。
しかし、どこかに属してそこで正月気分を味わうという訳ではない。
FATBIKEという乗り物でフラフラ動き回りながら、他郷の正月を神社を通してのぞき見するようなものである。

東小浜駅から旧丹後街道に出て西へ、多くの若狭の神社がそうであるように丘陵と平野の境に多田神社は鎮座する。
入り口から拝殿まで85歩。
境内に入るとタブノキやシイノキなど常緑樹が密に茂っており昼というのに薄暗い。

まずは参拝。
本殿にも末社にも日の丸や神紋が染められた幕が張られていた。

境内は山裾にありながら広い平地にあり、社殿を一周すると落ち葉がサクサクと心地よい音を立てた。

写真は福井県小浜市