日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【参河國】碧海郡・知立神社。

大鳥居をくぐると右手に多宝塔。神社境内にお寺の建物とは珍しい。しかし明治の廃仏棄釈以前は多くの神社で神仏が混在しており、当社境内にも昔は神宮寺が七坊あった。その名残りの多宝塔は宝珠を取り去り神宮の文庫となることで難を逃れた。まさに廃仏棄釈…

【参河國】碧海郡・日長神社。

収穫を終えた田んぼが視界に広がる。神社間を結ぶ道を走り気づいた。三河の平野は想像以上に広い。小高い丘に鎮座する日長神社。周りに田んぼが多いせいか離れた場所からも容易に確認できる。手入れの行き届いた境内。コンクリート造の拝殿に掲げられた竜が…

【参河國】碧海郡・日長神社。

神社訪問時のメモを見ても風景を思い出せない。パソコンに保存した写真を見ながら記憶をたどった。そうだ、境内に入ると真正面に拝殿が鎮座、遊具があり学校の運動場のようだった。印象に残ったのは神木のクスノキだ。注連縄を巻かれ太い幹からは四方八方に…

【参河國】碧海郡・酒人神社。

「美酒発祥地」と刻まれた石碑。社名からもしやと思ったが、由緒によれば渡来系である酒人親王は移り住んだこの地で日本で初めて清酒を醸造したそう。ムムッ、本当か。何度か酒造系の神社に足を運んだけど、境内にいるだけでは酒飲みの直感で酒の匂いが感じ…

【参河國】碧海郡・和志取神社。

国道一号線と並走する旧東海道の松並木を通り安城市内へ。論社が岡崎と安城に存在する当社だが、安城ではズバリ「和志取」という地名に鎮座。先に参拝していた女性に挨拶し小さいながらも巨木に囲まれた境内へ。入口と拝殿近くには市の保存樹にも指定された…

【参河國】碧海郡・和志取神社。

縦に長い境内。入口の由緒碑によると祭神は景行天皇の皇子・五十狭城入彦皇子、御陵の前方後円墳が近くの山にあるという。その和志山を境内から眺める。麓に民家が建ち並ぶも田んぼに浮かぶ緑の船のようだ。神社同様、鬱蒼としているが、宮内庁名で鎖が張ら…

【参河國】額田郡・謁播神社。

社名を何と読んでいいのか。「式内社調査報告」ですらアツハノ・アチハノ・エハノ・エハタノと四つの読み方を提示する位。さらに手元の延喜式神名帳も読みをはっきり提示できておらず複数の名を掲載している。所在地は岡崎市阿知和町なのでアチハノが正しそ…

【参河國】額田郡・稻前神社。

岡崎市の「ふるさとの森」に指定された社叢林は3500㎡。いったん境内に入ると近くの道を走る車よりも森の木々に群がる鳥たちのさえずりの方が断然大きく聞こえる。かつて伊勢神領に属していたので天照皇大神が祭神。社名に稲の文字がつくのは伊勢神宮に新稲…

【参河國】賀茂郡・灰寶神社。

赤い名鉄電車がガタゴト走って行く。神社は三河のマザーリバー矢作川と三河線に挟まれた平野に鎮座。祭神の速禰夜須毘売命は作陶の神。良質の土を求めてやって来た陶工たちが斎きまつった神だそうだ。作陶に関係あるからか知らないが、境内を守るのは陶製の…

【参河國】賀茂郡・廣澤神社。

山中に鎮座する小さな境内。それがかえって本社の猿投神社に負けるとも劣らない古社の雰囲気を醸し出す。本殿に伸びる参道両側には広沢天神と書かれた幟が並ぶ。また本殿正面下側、参道の中央にはスギが枝葉を伸ばしている。神社の守り神は俺だといわんばか…

【参河國】賀茂郡・狭投神社。

外で手を合わせていると本殿内に太鼓の音が響いた。そういえば作業服姿の男性が祈祷の受付をしていた。壁に吊されたたくさんの左鎌と関係があるのか。奉納主にはトヨタ自動車始めトヨタの系列会社や~工場、~工業とつく名前が多い。祈祷項目に「職場団体安…

【参河國】賀茂郡・射穂神社。

カメラのファインダー越しに一ノ鳥居の間から境内に至る道を見るとかなりの急坂。大きく息を吐き気合を入れて自転車を押した。境内に入ると瑞垣に囲われた本殿よりも向かい側の拝殿に歴史の重みを感じた。その直感は当たった。熱田神宮で使われていた神楽殿…

【参河國】賀茂郡・兵主神社。

神社が鎮座するのは矢作川と篭川に挟まれた場所。本殿に参拝し、豊田市の名木に指定された社叢を歩いた。若木に混じる幹が太くて背が高いクスノキやケヤキ、エノキにドキッとする。洪水により移動した過去があるとはいえ、大きな川が近くひとが住むに適した…

【参河國】賀茂郡・野神社。

国道から伸びた参道は緩い上り坂となり奥まった境内へと導く。響き渡るセミの鳴き声と樹上を飛び交うトンビの姿、それと樹間に破風を広げた立派な拝殿が森とひとつになっている。この日の朝、猿投駅を出て国道153号線へ向かった。かつて父の運転で通った道。…

【参河國】賀茂郡・野見神社。

能見のお宮さんはヤッコラサノサ、能見は能見でも野見神社、創立年不明不詳、祭神はアマノヒナドリノ命なり、戦国室町弘治二年畏れ多くも焼失す。「野見神社考」と題した歌が建物の壁面に掲げられていた。歌は三番まであり、節をつけて神社の歴史を分かりや…

【参河國】賀茂郡・野見神社。

野見山々頂に鎮座する境内まで自転車を押して十分ほど。時折、大岩が道の脇に露出している。小さな山とはいえ頂からの眺めは悪くない。来た道に鳥居がないので探すと境内から外れた登山道に立っていた。本殿向かって左の大きな岩には神石という名がつく。先…

【美濃國】惠奈郡・惠奈神社。

天照大神の親神であるイザナキ・イザナミ。まるで狛犬の如く参道の両脇にそびえ、見上げると天まで届きそうな夫婦杉はその親神をまつる。小祠や親神の像を拝みながら斜度の急な石段を上がる。本殿に立ち柏手を打つや後方に気配を感じた。見るとカモシカが足…

【美濃國】恵奈郡・中川神社。

雨が止み霞がかった中津川駅から北側の丘陵地に鎮座する中川神社へ走る。針葉樹に囲まれるが、神木には本殿脇のナギとは別にコウヤマキも。案内板に従い森のなかを歩いていくと熊笹が刈り込まれた場所に立つコウヤマキ。三つに分かれた幹は祭神である三女神…

【美濃國】惠奈郡・坂本神社。

鳥居の扁額や標柱を見ると、八幡社同様、諏訪社も坂本神社を名乗っていた。境内は深い緑の木々に囲まれ薄暗く、葉のように湿り気を帯びた建物は周囲と一体となり森に溶け込んでいた。石段を上がって拝殿で手を合わせる。樹間から顔を出した太陽の光が地面を…

【美濃國】惠奈郡・坂本神社。

参拝後、写真を撮っていると氏子さんに声をかけられた。本殿内には多数の神像が奉納されている由。招かれた暖かい社務所。奥の部屋には神像すべての写真をまとめた展示用の一枚のボード。南北朝期、北朝復活を記念して奉納された神像十三体。うち僧形二体が…

【美濃國】賀茂郡・中山神社。

入口の鳥居や常夜灯を除けば、式内社と呼ばれる神社にしては新しい雰囲気。それもそのはず、由緒によれば平成十三年に北百メートルの山腹から遷座したそうだ。拝殿で手を合わせてから、石段上にまつられた社にも頭を下げる。祭神は(仲山)金山彦命。仲山=…

【美濃國】賀茂郡・多為神社。

残暑厳しい九月半ば。夕暮れが近づくも暑さが退く気配はない。住宅地を抜ける道で前から来た自転車の男の子がこんにちはと挨拶して通り過ぎた。水晶山の麓、風が木々の間を吹き抜ける。窓のない吹きさらしの拝殿。その上側に鎮座する本殿は広い境内に比べて…

【美濃國】賀茂郡・佐久太神社。

「式内社調査報告」によると神社がある夕田地区は西部古墳群に当たる古墳の宝庫。地区最大の茶臼山古墳は神社と山峡一筋を隔てた場所にあるのに知らなかった。メモには古墳について一言も触れてない。神社と古墳ほど古社巡りでラグジュアリー感に富む組み合…

【美濃國】賀茂郡・神田神社。

美濃太田近辺にまとまった賀茂郡の神社で神田神社だけは遠く離れて鎮座。高山線白川口駅でFATBIKEを組み立て東白川村へ向かった。白川に沿い一時間ほど走ると役場の奥に鳥居を発見した。急な石段を上がり境内へ。拝殿内を見上げると阿吽の形相をした虎の絵が…

【美濃國】賀茂郡・阿夫志奈神社。

高山本線、国道41号線、飛騨川。濃飛を結ぶ流れに沿うて境内は鎮座。弘仁九年、疫病流行のため勅命により郷民が天皇山に社を築いて悪疫退散を祈願したのが神社の創祀。当時も疫病に暮らしを翻弄され平癒の方法を探ったのだろう。現在はコロナ禍。昔もいまも…