2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧
旧八開村は愛知県内でもレンコン栽培の盛んな土地である。名古屋市を西へ、木曽川に近づくと稲田とともに蓮田が風景に加わる。目立った上り坂もなく平坦な道をトロトロ走って行く。鵜多須町に鎮座する宇太志神社。鳥居の間に張られた蜘蛛の巣に引っかからな…
国道沿いに立つ鳥居をくぐると森の入口といわんばかりに黒々とした木々の葉がトンネルを作っていた。落ち葉が敷き詰められ石段を滑らないように上がって行くと打って変わって明るくすっきりとした境内に出た。鳥居から拝殿まで150歩も歩いたからか、ここまで…
名古屋市中川区から隣接するあま市まで、交通量の多い道を避けようと福田川沿いを走ることにした。ちょっとしたリバーサイドツーリングである。堤防は未舗装、FATBIKE好みの砂利道だ。名古屋西インター近くから北上。堤防の小道の凹凸はサスペンションがなく…
伊努神社の境内に入りまず目についたのは、拝殿本殿といった神社の建物の右手に置かれた自然神と思われる神々の一群である。そこに並ぶのは道祖神のような双体像、石祠、そして藁ヘビを巻きつけられたり注連縄を巻かれた榊や自然石。伊努神社を訪れた日は松…
延喜式に掲載されている同社大穴持海代日古神社と同社大穴持海代日女神社の二社。 現在そのような社名の神社は存在しないが、祭神である大穴持海代日古と大穴持海代日女をまつる神社として「式内社調査報告」では来阪神社を挙げている。「来阪」と書いて「く…
神社を訪ねるのは参拝だけでなく、境内を歩いて社叢の木々を眺めたり、木陰で疲れた体を癒したり、といった楽しみがある。小さな神社でも社叢を構えるところが多いので、鬱蒼と繁った木々が厳しい太陽光を和らげ涼を授けてくれる。太陽は天照大神だけど、夏…
国道55号線から集落のなかに入ると「天平古道」と呼ばれるいにしえの道が通っている。細く曲がった道なので知らなければこれが歴史を刻んだ道だとは分からなかっただろう。その古道沿いの住宅地よりも少し高い位置に鎮座する久佐加神社。案外簡単にたどり着…
FATBIKEでの古社巡りに欠かせないのはカメラである。僕がこの旅に持っていくのはリコーから出ている、GRというコンパクトデジカメ。かなりの年季ものだ。好んで使っているのは、その大きな特長でもある引き算の発想が気に入っているからである。ズームはない…
因佐神社を訪ねたこの日、石見との国境に近い田義駅から旅を始めた。JR出雲市駅で一両だけの小さな車両に乗り換えると、すでに車内は通学の高校生で満員状態。申し訳ない思いでFATBIKEを詰め込んだ大きな輪行バッグを車内に載せた。幸い高校生たちは次の駅で…
十年前にいまの仕事についてから、それまで馴染みのなかった名古屋市西部が仕事の中心になった。中村、中川区内だけでなく隣接する甚目寺町を訪れることもしばしば。名鉄津島線、甚目寺駅のホームに降り立つと甚目寺観音、大徳院と並んで漆部神社の立方体の…
名古屋を始めとする愛知県尾張地方や岐阜県美濃・飛騨地方で見られる屋根神さま。地域によって祭神が少しずつ異なるものの、名古屋では熱田神宮・津島神社・秋葉神社の組み合わせが多く、岐阜県内では津島神社と秋葉神社の二神のみ、もしくは秋葉神社を単体…
赤レンガ風の屋根に白壁。島根ワイナリーの瀟洒な建物を右手に見ながら国道431号線を走っていくと左手に「阿須伎神社参道」と書かれた案内が立っていた。その標に導かれて緩い上り坂を上がっていくと参道と薄暗い森の境に鳥居が立っている。鳥居をくぐり拝殿…
「延喜式」掲載の同社大穴持御子玉江神社とされる乙見社も出雲大社の境外摂社のひとつである。境内といっても社殿とその横に由緒について書かれた案内板が立っているのみ。鳥居はなく、社殿は一段高い場所に鎮座。社のうしろ側にはエノキの木が一本。とても…
一畑電車の雲州平田駅を出発後、県道275号線を北上して十六島湾へ出た。宍道湖から日本海までは地図を見る限り山が連なっているので相当な上りを覚悟したけど、実際走ってみると谷筋の道なので意外なほどあっさりと海側に出ることができた。「出雲国風土記」…
出雲大社神楽殿に吊された注連縄はとてつもなく巨大である。テレビでは何度も見たことあるけど、映像を通して見るより実際は何倍も大きく見える。百聞は一見にしかず。出雲大社のホームページによると長さ約13メートル、重さ5.2トン。よくこれだけ大きな縄を…
出雲大社を東側の出入口から出て北島国造館前の「社家通り」と呼ばれる道を命主社の方向へ向かった。その途中、「出雲の森」と呼ばれる場所がある。鬱蒼と茂った森を想像していたけど通ってみると玉垣のなかに一本、木が植えられているだけだった。見たとこ…
出雲大社の本殿が鎮座する広い瑞垣の外を東側(右手)からぐるっと一周した。東西には神在月に全国の神々が集まる末社十九社本殿の長い建物がある。僕が訪れたのは五月なので時期的に神々はいないが、立ち止まって手を合わせた。しばらくすると瑞垣内に桧皮…
出雲大社の境内。一般の参拝者である僕が瑞垣のなかに入ってお参りすることはできないので、正面の門から本殿をのぞき見るしかない。「ようやくやって来ました」手を合わせながら心のなかであいさつする。祭神である大国主命は別名の多い神である。「大物主…
松江からFATBIKEを自転車の状態のまま一畑電車に載せて一路、出雲へ。出雲大社駅から大社の入り口鳥居のある場所まで走っていき写真を撮ろうとすると、すでに石段近くで案内を聞くために数人のグループが集合していた。朝早いというのにさすがは出雲大社であ…
松江市内の逗留先のマンションから出雲大社に早く楽に行くにはどんな手段を使えばいいだろうか? もちろんFATBIKEというお荷物を持っての話である。考えられる手段としては宍道湖の南岸を走るJRと北岸の一畑電車。自走もあるがここでは交通手段を使って、と…
高松に到着した翌朝、無性にテンションの高ぶりを感じ、朝早く目が覚めてしまった。できるだけ早い電車に乗りたい。朝食をとり昼食用のおにぎりを握ってから逗留先のマンションを出たのは午前五時過ぎ。高松駅前の輪行はとてもスムーズで予定していたより一…
黒嶋神社の標柱が立つ場所から境内に向かう途中、参道の左側一面にコスモスが咲き乱れていた。思わず「すごい」と声がもれてしまうくらい。FATBIKEを立てかけてコスモス畑とともに写真を一枚撮った。神社はどちらかというと緑が多いから、こうして花を眺めら…
「日本古来の服忌の心得により、火葬場の帰りに神社境内・御神域へ立ち寄る事はご遠慮ください」粟井神社の境内に向かう参道の入り口にこのような注意書きが石柱に張られていた。わざわざこう書かれているのは火葬場の帰りに神社に立ち寄るひとがいるという…
讃岐国苅田郡の神社がある観音寺市には古墳が多いそうだ。ネットで検索すると、真っ先に出てきたのが「大野原古墳群」国指定史跡である同墳をPRするサイトが観音寺市のホームページにあるくらい。「大野原町大野原の直径約700メートルの中に集中する」ので「…
「式内社調査報告」の加麻良神社の記事を読むと「追記」欄に観音寺市植田町の加茂神社が異説として掲載されている。論社ではなく「異説」というのはどういうことだろう。現地を訪ねれば何かが分かるのだろうか? 加茂神社の境内に入るととにかく風が強かった…
高松でのプチ移住期間中、古社巡礼のついでになるべく酒蔵に行けるよう予定を組んでいた。米よりも麦が強い香川県なので前回プチ移住した松江のように酒蔵自体が多くはない。それでも香川県酒造組合によれば現在県内で酒を醸している蔵は六ヶ所。そして観音…
午前四時五十三分発の松江行電車に乗るため高松駅に向かった。高松から一番早く観音寺に向かう電車である。十月なので逗留先のマンションを出た四時ころはまだ真っ暗闇だった。幸い駅から近いので車の通りがあるのとコンビニや牛丼屋など二十四時間営業のお…
「天空の鳥居」高屋神社本宮境内に立つ鳥居はそのように呼ばれている。鳥居越しに観音寺市内と瀬戸内海を一望できるから、まさに天空に立って眺める風景と遜色ないということだろう。神社が鎮座する稲積山に登る前には琴引公園で銭形砂絵を見た。公園内の高…
雲氣神社の所在について、金刀比羅宮と考えられたり、善通寺伽藍内五社明神に雲氣明神としても含まれたり、また独立した神社として先に見た雲氣神社もあり様々。さらにもう一社、「式内社調査報告」に掲載されているのが雲氣八幡宮である。大麻神社が鎮座す…