日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【出雲國】楯縫郡・多久神社。

多久神社の北側にそびえる大船山。「出雲国風土記」には神名備山として記されている。「嵬の西に石神在り。高さ一丈、周り一丈。往の側に小き石神百余り許在り。古老の伝へて云はく、阿遅須枳高日子命の后、天御梶日女命、多宮の村に来坐して、多伎都比古命…

【出雲國】楯縫郡・宇美神社。

かつて雲州木綿の集積地として栄えた平田。一畑電車の雲州平田駅を降り北側へ歩いて行くと妻入り土蔵造りの古い町並みが残る一角に行き当たる。古社巡礼のついでに何度か通り過ぎたことはあったが、ゆっくり歩いたのは「プチ移住」で滞在していた松江の逗留…

【出雲國】楯縫郡・佐香神社。

松江での暮らしを始めるに当たり楽しみにしていたのは酒、日本酒である。出発前、島根県名古屋事務所で「しまね酒紀行」というパンフレットをもらった。それによると島根県内の酒蔵は出雲十六、石見十三、隠岐一の合計三十蔵。「プチ移住」以前にそれを知っ…

【出雲國】楯縫郡・玖潭神社。

松江市内での逗留先から古社巡礼に出かけるとき、宍道湖の南側に鎮座する神社を訪ねるときはJRに、同じく北側の場合は一畑電車に乗って出かけたものだ。JRにFATBIKEを載せる場合は輪行が必須である。マンションを出て高架沿いを東に向かうとすぐに駅なので、…

【出雲國】秋鹿郡・大野津神社。

出雲国の神社のなかで宍道湖に一番近い神社、といってもいいかもしれない。なぜなら境内から湖に降りるための階段があるから。一畑電車一畑口駅外側のベンチを借りて昼食をとったあと、再びペダルを漕ぎ向かったのは大野津神社。駅からいったん宍道湖岸に出…

【出雲國】秋鹿郡・許曽志神社。

許曽志神社の境内に入り不思議に感じるのは狛犬の代わりに鶏や猿の置物があることだ。猿については当社の祭神が猿田彦命であることが理由と思われるけど、鶏についてはどうしてだろう。もしかして社名に関係があるのかなとも思ったりする。式内社には当社の…

【出雲國】秋鹿郡・惠曇神社。

惠曇神社には論社がある。つまりもう一ヶ所、同じく惠曇神社が存在するのだ。境内に本殿とは別に「座王さん」という磐座がある神社に感動したばかりなのにもう一社あるとは。最初の惠曇神社を出て佐陀川沿いを西に向かうと漁港に出た。惠曇港である。青空と…

【出雲國】秋鹿郡・惠曇神社。

「出雲国風土記」では惠曇郷についてこのように書かれている。「須佐能乎命の御子、磐坂日子命、国巡行り坐しし時、此処に至り坐して詔りたまひしく、「此処は、国稚く美好く有り。国形、画鞆の如き哉。吾が宮は、是処に造事らむは」故、惠伴と云ふ」松江で…

【出雲國】秋鹿郡・内神社。

松江を拠点に出雲国の式内社を訪ねるに当たり、一畑電車とJRには本当にお世話になった。宍道湖の南岸近くに鎮座する神社を訪ねるときはJRを、北岸を訪ねる場合は一畑電車を、と役割が分担されていた。いま考えると山陰本線だけでなく木次線にもお世話になっ…

【出雲國】秋鹿郡・大井神社。

佐太神社参拝後、隣接する鹿島資料館で「鹿島町史」のページをめくっていたら町内にある神社の紹介に大井神社が掲載されていた。大正四年に多久神社の飛地境内地となり同六年、多久神社に合祀されたが昭和二十六年に大井神社に再興した歴史が簡単に触れられ…

【出雲國】秋鹿郡・佐陀神社。

松江に暮らしながらFATBIKEで神社を訪ねまくったひと月間。多くの神社を参拝したものの、お守りやお札を買うことはほとんどなかった。訪ねた先で買ってばかりいてはお金がもたないし、コレンクションで買い求めるような類いのものじゃないから神さまに失礼じ…

【近江國】高嶋郡・大野神社。

大野神社の論社と考えられている神社は三社。マキノ町の日吉神社、今津町の日枝神社大水分神社、朽木の市杵島神社末社の大野神社である。日吉神社と日枝神社大水分神社を訪れたのは道路上に雪が残る寒い冬だった。当日は近江今津駅で下車し、FATBIKEを組み立…

【近江國】高嶋郡・小野神社。

近江国、即ち滋賀県は名古屋からすれば隣々県だから、滋賀県自体に行くことはそれほど遠くはない。名古屋から米原行きのJR東海道線に乗り関ヶ原を越えるとそこは近江である。思った以上に近いので近江の式内社なんてあっという間に回れるさ、とついつい油断…

【近江國】高嶋郡・大川神社。

大川神社を訪れる際、「式内社調査報告」に掲載されていた地図をグーグルマップ上に落とし込んでおいた。その情報を大宮神社を発つ前にスマホで場所を確認する。川に沿って西に向かえば自転車なら数分の距離である。数分後、近くに来ているのは確かだが、落…

【近江國】高嶋郡・大川神社。

大宮神社の鳥居をくぐり境内に入ると樹高の高い木々が拝殿や本殿を取り囲むように立ち並んでいた。車の音もほとんど聞こえない境内でゆいいつ耳に届くのは手水舍に注がれる水の音。その隣には小さな池があり清らかな水で満たされていた。なかをのぞくと、い…