日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

【出雲國】秋鹿郡・内神社。

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松江を拠点に出雲国式内社を訪ねるに当たり、一畑電車とJRには本当にお世話になった。
宍道湖の南岸近くに鎮座する神社を訪ねるときはJRを、北岸を訪ねる場合は一畑電車を、と役割が分担されていた。
いま考えると山陰本線だけでなく木次線にもお世話になっているからJRの方が多いかな。

一方の一畑電車にはJRにないメリットがある。
普通、電車に自転車を載せようとすると輪行といって車体を分解して専用の輪行袋に入れなくてはいけない。
JRは輪行が当たり前なのだけど、一畑電車の場合はそのままでOKなのだ。
しかも自転車持ち込みの回数券まで販売しているから買わない手はない。

現在、内神社と呼ばれる神社の最寄駅は一畑電車の高の宮駅である。
と、ここまで一畑電車の話をしておきながら、内神社を訪ねたときは電車を利用せず、島根半島の中間部分をひぃひぃいいながらFATBIKEで回っていた。
高の宮駅の存在を意識したのは内神社に行こうとしてではなく、行った後のことである。
一畑電車の話をしたのは駅が近いというだけで、僕の一畑電車愛が語らせただけである。

内神社は同じく秋鹿郡の神社を回った日に訪ねた。
宍道湖岸に鎮座する大野津神社から一路内陸に向かった。
平坦な道が次第に上り坂になっていったので、グルグルと蛇行しながら少しずつ上っていく。
「高野宮0.5km」の標識が見えてきたのでそろそろかと内心喜んだところ、そこからは今まで以上の斜度の上り坂。
高野宮というのは純粋に高いところにある神社ではないかと思いながらペダルを漕いだ。
メモ帳にもそのときの気持ちを「マジカヨ」とカタカナで表現している。
よほどきつい坂だったのだろう。

ようやく鳥居が立つ境内の入口に到着、反対側を振り向いて思わず息を飲んだ。
高野宮はやはり高い場所にあるお宮で間違いないと思った。
そこから眺める風景は半端なく素晴らしかった。
島根半島中部の丘陵地に位置する内神社は頂上部分よりもやや南側に下った場所に鎮座している。
これまでの疲れが癒される。

鳥居をくぐって拝殿まで105歩、まずは参拝。
安政二年造営の本殿は出雲大社佐太神社神魂神社に次ぐ立派な建物というから、なかなかなものだ。

参拝後、境内を歩くと向かって右側の森が禁足地になっていた。
本殿背後の稲荷社を参拝しようと柏手を打つと、森のなかからサササっと音がした。獣が近くにいたのだと思う。
禁足地になった理由は「文禄二年、雷禍による本殿火災が発生した時、本殿からこの森に向けて線光が発せられた。人々はそれを見て神さまが遷られたのに相違ないものと考え、以後、この森を神聖な森として立ち入りを禁止した」からだという。

高い場所という行きにくいところであるせいか休憩所が併設されていた。
夏日の松江。
コーヒーをいただきながらひと息ついた。
由緒によると、祭神は和加布都主命と下照姫命。

写真は島根県松江市

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