日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

【出雲國】秋鹿郡・惠曇神社。

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惠曇神社には論社がある。

つまりもう一ヶ所、同じく惠曇神社が存在するのだ。
境内に本殿とは別に「座王さん」という磐座がある神社に感動したばかりなのにもう一社あるとは。

最初の惠曇神社を出て佐陀川沿いを西に向かうと漁港に出た。
惠曇港である。

青空とともに青い海が目の前に広がる。
ここに来た記念、やはり写真でしょう。.
そう思ってFATBIKEをブロックに立てかけようとするが強い風がビュービュー吹いている。
立てかけても風ですぐに倒されてしまう。
何度か挑戦してみても同じ結果なのであきらめて神社に向かうことにした。

二番目の惠曇神社は漁港近くに鎮座する。
鳥居前にFATBIKEを立てかけて写真を撮っていると、気のせいかもしれないが近くに止まった車がアイドリングしたまま止まっているのが気になった。
車内にひとの姿があったどうかまでは見えなかったけど、監視されているようで気持ち悪かった。

平日の日中にタイヤの太い自転車に乗っている中年の男は自分で考えても怪しいと思う。
じつは、仕事を休職して「プチ移住」で松江に来てるんです、という事情は表面的には絶対に伝わっていない。
監視者側からすれば何の情報もないからとりあえず監視するというしかないのだろう。

取り越し苦労かもしれないがそう感じたのは、惠曇神社がある場所から山塊を越えれば島根原発があるからだ。
数年前、福井県おおい町に森の神さまをまつる「ニソの杜」を見に行ったことがあった。
大島半島内の「ニソの杜」の所在地を確認しながら写真を撮っていた。
ある森で写真を撮ろうとしたら突然車が目の前に停車し、なかから警備会社の制服に身を包んだ男たちが出てきた。
原発近くで怪しい動きをする男(僕ですが)と思われたらしい。
ニソの杜という森神がありそれを見るために訪ねてきた旨を話すと警備氏たちは納得して離れた、という経緯がある。
それが記憶に残っているので今回ももしや、と思ったのだ。

入口の鳥居をくぐり拝殿まで七十歩、まずは参拝。
本殿の彫刻はとても立派で、見たところ竜、鳳凰、鶴などが生き生きとした姿で彫られている。
「式内者調査報告」によると前述の惠曇神社とは正統性を巡って論争があったという。
確かに海には近いし山を背景にした境内に古社然とした雰囲気を感じないでもない。

でもスッキリし過ぎている、これはひとりの旅人としての意見。
やはり「座王さん」に驚かされたようなサプライズ感には乏しいかな...

写真は島根県松江市

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