日本の森、モリのニッポン紀行

2020年12月6日からnote版「日本の森、モリのニッポン紀行」(https://note.com/samsil_life)に引っ越しました。

2019-01-01から1年間の記事一覧

【讃岐國】多度郡・大麻神社。

古社巡礼の途上で出会ったひとにFATBIKEに乗って神社を訪ねているというと一様に不思議な顔をされる。なぜだろう、自分では好きなことをやっているだけなのだけど。でもよくよく考えると香川県というか四国での巡礼といえば「四国八十八所巡り」、つまりお寺…

【讃岐國】那珂郡・神野神社。

丸亀駅まで輪行したFATBIKEを駅前で組み立てていると、「すごい自転車ですね」と声をかけられた。「よくバイクと間違われますけど、こう見えて自転車なんです」タイヤをフロントフォークにさしながらそう答える。組み立て中でも逆に輪行のための分解中でも話…

【讃岐國】那珂郡・神野神社。

讃岐国の古社巡礼では至るところでため池を目にしたけど、満濃池ほど大きな池は初めてである。それもそのはず、その大きさ(水面積)は138.5ヘクタールでため池としては日本一。畔に立って眺めると遙か先まで池が広がっているから、近江の琵琶湖や遠江の浜名…

【讃岐國】那珂郡・櫛梨神社。

櫛梨神社を訪れたその日は自走の一日だった。高松市内の逗留先を出発後、予定していた七社すべてを回り、走って高松市内に戻った。出発は午前七時で、帰宅したのは午後五時ころだった。正確な距離は測っていないけどあえていうなれば、はるか遠くに見えてい…

【讃岐國】鵜足郡・宇閇神社。

宇閇神社のもう一方の論社はことでん琴平線岡田駅の南側に鎮座する。とはいっても駅からスムーズに神社に向かうことができず変な方向に行き、迷ってしまった。目の前には讃岐名物のため池。日光が水面を照らしキラキラしている。近くの家の前におじいさんが…

【讃岐國】鵜足郡・宇閇神社。

宇閇神社の論社二社のうち綾歌の宇閇神社はレオマワールド手前の小高い丘の頂部分に鎮座する。神社の最寄り駅はことでん琴平線栗熊駅。快晴のその日、逗留先のマンションを出て最初の訪問先である田村神社を訪れた。二番目の宇閇神社へは田村神社参拝後、こ…

【讃岐國】鵜足郡・飯神社。

「讃岐には これをば富士といいの山 朝げ煙 たたぬ日はなし」晴れ渡った讃岐平野に秀麗な山容を見せる飯野山に西行の歌。丸亀製麺の路面店に入ると壁に飯野山の写真が飾られている。僕は讃岐国の古社を巡るに当たり、丸亀で丸亀製麺の本店に行こうと密かに決…

【讃岐國】阿野郡・城山神社。

「ここは朝鮮式の山城があったところでね。白村江の戦の前後くらいからひとが渡ってきたんかな。坂出市には金がないから僕らがこうやって草刈ったりしてるんですよ。この辺は古墳だらけやね。明神原遺跡? もうすぐだよ」FATBIKEで城山山頂に向かう途中、山…

【讃岐國】阿野郡・神谷神社。

「Casaブルータス」十二月号の特集は「日本の聖地一〇〇」このなかに香川県の神社として金刀比羅宮とともに神谷神社も取り上げられている。当社の本殿は鎌倉時代に建造。「三間社流造」としては日本最古とされる。雑誌の解説によれば「神社建築の様式のなか…

【讃岐國】阿野郡・鴨神社。

東鴨社を参拝後、境内を出たあたりからお腹に違和感を感じた。刺しこむ痛み。それでも我慢できると思い、山の麓にある東鴨社から西鴨社へと向かった。途中、加茂町公民館を通った際、玄関近くに周辺遺跡の案内板があった。腹痛とはいっても余裕があったので…

【讃岐國】阿野郡・鴨神社。

「式内社調査報告」によると阿野郡の鴨神社は東鴨社と西鴨社の二社が存在する。両社の距離は近く、FATBIKEだと神社間は十分かからないくらいだ。鴨神社近くまでやって来たのは午前十一時を少し回ったころ。普段は「プチ移住」の経費節減のため昼食用に朝、お…

【讃岐國】香川郡・田村神社。

田村神社は讃岐国の名神大社の一社にして香川郡ゆいいつの式内社、さらに一宮でもある。高松市内の逗留先からはことでんに沿って南下すること三十分ほど。一宮町の交差点から大鳥居が視界に入ったので、鳥居の方に進路を取ってペダルを漕いだものの鳥居の先…

【讃岐國】三木郡・和爾賀波神社。

鰐河神社も広い神社だが、和爾賀波神社はさらに輪をかけて広い神社だった。縦に長い森。裏側から境内に近づいてしまったようでいったん入口まで戻ったが、一の鳥居までかなり長い距離だった。FATBIKEを降りて押しながら木立が並ぶ参道を再び境内に向かって歩…

【讃岐國】三木郡・和爾賀波神社。

白山の麓に鎮座する白山神社をあとにして南に下り鰐河神社へ。境内は平野にあり、社叢のおかげで遠くからでもすぐに神社だと分かる。社叢の木々が茂る方向にゆっくりペダルを漕いだ。祭礼日である白山神社には礼服を着た氏子さんたちの姿があったり、拝殿の…

【讃岐國】三木郡・和爾賀波神社。

和爾賀波神社の論社のひとつである白山神社。白山と書いて「しらやま」と読む。ことでん長尾線白山駅の南側にそびえる山の方に向かって坂を上がっていくと鳥居が見えてきた。鳥居のなかに白山が収まる位置で写真を撮り、FATBIKEをとめて境内へと歩いていった…

【讃岐國】三木郡・和爾賀波神社。

逗留先のマンションを出てことでん長尾線沿いを走った。十月第二日曜日であるこの日、通過先の町内では法被を着たひとたちが朝早くから動き回っていた。秋祭りの準備だろう。ということは当日訪れる予定である神社でも祭礼が行われる場所もあるかもしれない…

【讃岐國】寒川郡・多和神社。

ことでん志度線の終点でもあるさぬき市志度。ここにも多和神社が鎮座する。数時間前に山側の多和神社を訪れたばかりで今度は海側の神社にやって来た。志度に到着するとどことなく町なかがにぎやかだった。やけに警察官の姿が多く、コンビニの前を通ると法被…

【讃岐國】寒川郡・多和神社。

多和神社の二ヶ所ある論社のうち、長尾の多和神社は讃岐平野から讃岐山脈を越え阿波に向かう道沿いに鎮座する。神社に向う途中、「へんろ道」といって四国霊場巡りのお遍路さんが行き来する道があった。大通りから一本なかに入った、車だとすれ違いができな…

【讃岐國】寒川郡・神前神社。

讃岐路を走っていて気づくこと、それはうどん屋の多さである。事前に耳にしていて知識としてうどん屋が多いことは知っていた。でも実際にFATBIKEで走っていると本当に多い。町なかだけでなく町を抜け明らかに田舎的な場所にも。香川のうどん事情に疎い僕には…

【讃岐國】寒川郡・神前神社。

香川で古社巡礼を始めた当日、神前神社の論社である三社を巡った。そのうちの一社である春日神社。田んぼと民家を横目に走り途中、橋を渡ってしばらく行くと突き当たりに「春日温泉」という温泉施設があるが、神社はそのすぐ隣に鎮座する。FATBIKEをとめて境…

【讃岐國】寒川郡・神前神社。

JR高徳線神前駅周辺に神前神社の論社といわれる神社が三社存在する。神前神社と春日神社、男山神社の三社。なかでもゆいいつ式内社と同名なのが神前神社である。 神社の場所は神前駅北側の学校近く。平野に鎮座する神社で南側にある鳥居をくぐり正面の拝殿ま…

【讃岐國】寒川郡・布勢神社。

式内社であるか否か。神社の格に関わるせいか、讃岐国の神社を回っているとそのことの重要さを強く感じる。神社によっては拝殿の軒下に讃岐国二十四社の神社名を列挙した扁額が吊るされているのを見かけた。たとえ論社があったとしても筆頭に自社のみを記し…

【讃岐國】寒川郡・布勢神社。

二十年前の大学時代、サイクリング部時代の春合宿。スタート地点の高松を出発したあと徳島方面に向かったはずなのだが、いまではどこに行ったのか記憶にない。ゆいいつ覚えているのはその後、四国山地に向かったことくらいだ。当時のサイクリング部には女子…

【讃岐國】寒川郡・志太張神社。

神社を回り始めブログにその記事を書き始めた当初、書く順序というのは延喜式に則ったものではなく、行った順、つまり訪ねた順番に書いていた。尾張国、伊勢国、つい最近終わった近江国も順番など関係なく、てんでんばらばら、なのだ。 手元の延喜式を参考に…

【出雲國】楯縫郡・許豆神社。

許豆神社が鎮座する小津の辺りは海に近いせいもあって風が強いとみられる。僕が訪ねた日は快晴で海は凪いでおり風も強いとは感じられなかった。風の強さを云々したのは、許豆神社を探していたら北側の山の上に風力発電機が並んでいたからである。実際に風の…

【出雲國】楯縫郡・許豆神社。

許豆神社は延喜式上、不思議というか珍しい神社のひとつである。延喜式を眺めていると時々同じ名前の神社を見つけることがある。これまで「大井神社」や「大水分神社」、「丹生神社」なんかは何度も訪ねたことがあった。同名の神社とはいっても尾張や伊勢と…

【出雲國】楯縫郡・能呂志神社。

能呂志神社の境内に入り手水で手と口を清めようとした。くぼみがあいた自然石に水を落とし込めるよう水道の蛇口が伸びている。蛇口に手を伸ばそうとしたところ、カメラのストラップの付け根のヒモが切れてしまった。僕が携行しているのは一眼レフではなく、…

【出雲國】楯縫郡・御津神社。

以前にも書いたような気がするが、松江に到着した日の夕方、あらかじめ調べておいた酒蔵で一升瓶を一本買い、次に米屋さんで島根県産のお米五キロを買った。用事は済んだけどそのまま家に帰るのもなんだからと大橋川沿いにある小さな公園のベンチに腰を下ろ…

【出雲國】楯縫郡・多久神社。

多久神社の北側にそびえる大船山。「出雲国風土記」には神名備山として記されている。「嵬の西に石神在り。高さ一丈、周り一丈。往の側に小き石神百余り許在り。古老の伝へて云はく、阿遅須枳高日子命の后、天御梶日女命、多宮の村に来坐して、多伎都比古命…

【出雲國】楯縫郡・宇美神社。

かつて雲州木綿の集積地として栄えた平田。一畑電車の雲州平田駅を降り北側へ歩いて行くと妻入り土蔵造りの古い町並みが残る一角に行き当たる。古社巡礼のついでに何度か通り過ぎたことはあったが、ゆっくり歩いたのは「プチ移住」で滞在していた松江の逗留…